CASE10子どもも大人も学ぶ
社員参加型の教育CSR

Dell EMCEMCジャパン株式会社・デル株式会社

授業風景

ボランティアが運営する
ボランティア活動

ーDell EMCでは、企業CSRの位置づけで東三鷹学園 三鷹市立第一小学校で“いきいきゲーム”に取り組まれています。
まずは概要を教えてください。

高松:2011年に、EMCジャパン株式会社のCSR活動のテーマの1つであるYouth Educationの活動として取り組みはじめ、今年からはDell EMCとしての取り組みに発展しました。今回も12月に全社へ募集し、あっという間に定員の20名が埋まりました。毎年参加される方や今年初めて参加される方、EMCジャパン株式会社もデル株式会社も交じり、新入社員から役員まで幅広いメンバーが参加してくれました。

ー具体的にはどのような活動をされるのでしょうか。

高松:三鷹市立第一小学校の5年生向けに、いきいきゲーム(ウィル・シード提供)の授業を1日します。Dell EMCの社員は、授業サポーターとしてゲームの進行をサポートしたり、授業の途中で「どんな仕事をしているの?」「初めて仕事をしたとき、または新しいことややったことのない仕事に取り組んだときにどうやった?」「会社にはどんな役割の仕事があるの?」という3つの質問に答えたりします。

授業風景
Dell EMC(EMCジャパン株式会社)高松 良光 氏
Dell EMC(EMCジャパン株式会社)及川 綾 氏

私たちはB2Bビジネス、しかもストレージやサーバーという小学生には聞き慣れない商材を扱っているため、仕事内容を子どもたちに分かりやすく伝えるのは難しいです。ある年は実際にストレージディスクを持ちこんで紹介した人もいましたし、今年もサーバーを撮影して大きく引き伸ばした写真を持ち込むなど、工夫を凝らして仕事を紹介しています。

ーこの活動を有志グループで運営しているのも特徴的です。

高松:今は過渡期なので、今後どのような形になっていくかわかりませんが、これまでは専任の部署ではなく、CSRコミュニティというグループが運営していました。専任部署ではないので、自分の本業を持った上で、兼任して取り組んできました。例えば、私はエンジニアですし、石井はセールスの人間です。

そのメンバーで会社にプレゼンテーションしてCSR活動の予算を獲得し、全社に告知して参加者を募り、事前説明会を開催して授業当日を迎える、という一連の運営に取り組んできました。

授業風景

ボランティア活動が
「働きがい」にもつながる

石井:私は新卒入社1年目ですが、1年目からこうやって色々と自由にやらせてもらえています。手を挙げれば挑戦させてもらえる職場、失敗を受け入れてくれる組織風土に感謝しています。

新卒1年目だと「覚えなくてはいけない業務が多々ある中、なぜ、ボランティア活動の運営をやっているんだ」と言われそうで心配していたのですが、私のマネジャーは「自分の分も行ってきてね」とあたたかくサポートしてくれます。この活動について、上司や同僚が反対する、支障になるというのは聞いたことがないですし、むしろサポートしてくれる方が多いと聞いています。

授業風景
Dell EMC(EMCジャパン株式会社)石井 美南海 氏

ー参加される社員の方にはどのような「学び」があるのでしょうか。

及川:小学生に色んなことを学んでもらうことがプログラムの一番の目的ですが、社内で参加者を募集するときは「小学生にとって最も印象深いと言われている授業です」と伝えると同時に、「社員の皆さんも子どもの成長を目の当たりにし、色んなことを学べる機会です」とも伝えています。子どもたち、私たち双方にとって学びが多いことが、このプログラムの良いところです。

私にとっても自分を見つめ直す機会になっています。授業の中でも伝えている「失敗おめでとう」や「Win-Win」という考え方は、私たちが日々仕事をしている時にも当てはまります。大人だからこそ「自分がこれを言ってしまったら上手くいかないのではないか」「今までこうしてきたから、こういう場合はこうだ」と思ってしまい、動けないこともあります。だからこそ、私も毎年この授業に参加して初心にかえろうとしていますし、実際に翌日から「疑問に思ったことはまず聞いてみよう」「まず自分で動いてみよう」と意識も変わります。

石井:様々な職種・立場の人が参加するので、日頃の業務を超えたネットワーキングをするよい機会にもなっています。授業の後に参加者の懇親会も開いていて、昨年からは学校の先生にも参加していただきましたし、今年からはデル株式会社、EMCジャパン株式会社双方の社員が参加するようになって、ますます交流範囲も広がりました。

授業風景

【導入された学校の声】

「働く大人」が学校に
入ってくる意味は大きい

ー今年で7回目の実施。企業で働いている大人が学校に来ることは、子どもたちにとってどのような意味があるのでしょうか。

北川:子どもたちが接する大人は、親と教師、スポーツクラブのコーチや塾の先生くらい。ほとんどの子どもは、お父さん・お母さんが具体的に何の仕事しているのかを聞いてもわかりません。だからこそ、先生とは違う立場の大人、しかも働いている大人が来てくれる機会は、とても良いこと。子どもの中に眠っていたアンテナの感度も高まります。この授業は、子どもにとって本当に忘れられない1日。今年で7回目をやって、自信をもってそう言えます。

東三鷹学園 三鷹市立第一小学校 北川 史朗 氏
東三鷹学園 三鷹市立第一小学校 北川 史朗 氏

自分は絶対に役に立てる
という自信をもてる

ー子どもたちには、どのようなメッセージが残っているのでしょうか。

北川:動いてみないと始まらない、とりあえず動いてみることで何かが始まる、動くことこそが最初の一歩だ、という経験は忘れないと思います。

それから「どこかで自分は絶対に役に立てる」という自信を持てることも大きい。教室の中だけでは、静かな子はそれほど目立たないし、自分から手を挙げないので委員長やリーダーなど陽の当たるポジションにはなりにくい。しかし、この授業ではその子が品質の高いモノを作っているからこそ儲かっているということがある。積極的な子もその子のおかげで儲かっていることをよくわかっている。静かな子は「自分のおかげで勝った」とは絶対に言いませんが、「自分が役に立てている」という実感は持てるし、自信に繋がります。

授業の後は、担任の活かし方次第ですが、例えばグループワークをやるときなど、この経験を思い出させています。「あの授業の時、どうだった?」「チームとして、高いパフォーマンスを示すために必要なことってなんだった?」と聞くだけで、子どもたちの動きは変わります。

そして、この授業を5年生の全く未完成な時期にやることで、6年生の1年間を丸々活かすことができます。6年生は学校の中でリーダーです。その立場・色々な場面で「失敗があるから成功がある」「絶対に自分が役に立つ場面がある」ことを思い出しながら取り組めます。私たち教師にとっても本当にありがたいプログラムです。

ただ疲れるだけなのではという心配も杞憂におわる

ー毎年、参加されているリピーターがいるのもすごいことです。

この授業は、Dell EMCの方が一緒に子どもたちへのメッセージをくれるということが素晴らしい。最初の頃、休みを使って学校に来て子どもの相手をするのは「ただ疲れるだけなのでは」と思っていました。私たちは子どもの声に慣れていますが、普段接していない方にとっては、あの「わぁわぁ」いう声は聞くだけで疲れるはずです。

しかし、毎年来てくださる方たちから「元気が出る」「エネルギーをもらいました」と言われて、まさかそんなことになっているとは思いもよらず驚きました。いくら世の中的に良いコトだとしても、やっている人が疲弊してしまえば続かない。今年からはEMCジャパン株式会社の方だけではなく、デル株式会社の方々にも来ていただいている。こうやってもっと広がっていくといいなと思います。

授業風景

【参加者の声】

大人にとっての学びが
大きい

・会社の理解もあり、今回はボランティア休暇を使って参加していますが、本当に参加する価値のある活動だと思います。子どもたちを見ていると、素直な行動・発言や、周りとの協調性など、自分自身も見直さなければいけないという気づきがあります。

・当たり前に思っていたことも、実は大人にとっての当たり前であって、子どもにとっては当たり前ではない。講師の方が言葉にして子どもたちに伝えているシーンに立ち会うと、私たちも気づけることが多くあった。

・今まで参加してきた人が「行ったらよかった」と口を揃えて言うのですが、イマイチよく分らなかった。今回参加し、例えば、何のために勉強するのかという目的意識を持ったり、今後どういう風になろうかと未来を考えたり、周りと一緒に協力しないと何かを達成することもできないなど、自分たちにも還元されるメッセージを学べた。もし誰かが「興味ある」と言ったら、同じように「大人も学べますよ」と勧めます。

いつもとは違った経験が、仕事にもプラスになる

・自分が普段行かないところに行くという経験は、自分にとって学びになります。ボランティアで小学校に来ることはなかなかできない。自分の枠を広げるという意味で、こうやって新しいことに取り組む機会を大事にしています。

・会社員として会社へ行き、仕事をして疲れて家へ帰って、ご飯を食べて寝る、というルーティンワークの中、新しい空気を吸い、自分の畑以外の畑を見る経験は刺激になります。自分も何か新しいことをはじめてみよう、今自分のやっている仕事に対しても新しいプラスの影響を与えようと考えます。ルーティンの中で狭まってしまった自分の思考を一歩ひいて見つめることで、自分自身の生活を充実させていくことにも繋がっていくと思います。

変化の速い時代だからこそ、“生きる力”を鍛える

・チームの中でどう協力するか、どう役割分担するか、他チームとどう交渉するか、あるいはルールはどうなっているのかを調べる・考える…。実は私たちの仕事も全く同じです。子どもたちが一所懸命やっているのを目の当たりにすると、私たちも気づかされます。

・私たちはIT企業です。今、社員全員が感じていることは、IT・テクノロジーの進化は本当に速く、例えば3年後にはどんなことになっているのか、わからないということ。子どもたちが高等教育で学ぶことは、この子たちが30歳、35歳になった時に全く使えない可能性がある。逆にこの授業のように変化に対して右往左往しながらも対応できる基盤を学ぶこと、つまり初等教育がとても大事だと感じています。

授業風景

この活動では、参加者一人ひとりが子どもたちを観察して、子どもたちの良かった点をまとめた『グッド・チャレンジシート』を渡します。子どもたちはそのシートを読んで、自分たちのことをもう一度知る機会を得ます。そして、後日、子どもたちは授業の感想をまとめた『お礼のお手紙』を送ります。この心温まる交流も、大人たち・子どもたち双方にとって代えがたい経験になっているのです。

岡谷鋼機

好奇心を刺激し、視野を広げる
自文化理解研修

CASE29岡谷鋼機

三井住友信託銀行

多国籍のビジネスリーダーと
対峙できるマインドとスキルを鍛える

CASE28三井住友信託銀行

大月市役所

官と民の共創が生み出す
創発効果

CASE27大月市役所

東京都教育庁 起業創業ラボ

共創が生む
新しい教育のかたち

CASE26東京都教育庁 起業創業ラボ

野村ホールディングス

ファイナンス部門が取り組む
「専門性×グローバル」
両利きの人材育成

CASE25野村ホールディングス

伊藤忠テクノソリューションズ

変化の激しいIT業界
未来を見据えたグローバル人材育成

CASE24伊藤忠テクノソリューションズ

NTTドコモ

新入社員のリモートワーク適応
職場と育成をいかに連動させるのか

CASE23NTTドコモ

エヌ・ティ・ティ・データ

DXの意識と行動の浸透
顧客と共に創出する未来

CASE22エヌ・ティ・ティ・データ

花王

トップブランドを目指す“Kao”の
新しいキャリア研修への挑戦

CASE21花王

東京海上日動火災保険

「価値観を揺さぶる」
リモートでのグローバルなビジネス経験

CASE20東京海上日動火災保険

株式会社バンダイナムコアミューズメント

三カ月間の新入社員研修からみえた
「オンライン」と「リアル」の違い

CASE19バンダイナムコアミューズメント

住友商事

人材育成を止めないために
舵をきった
「新入社員研修オンライン化」

CASE18住友商事

日本航空

新たな価値を生み出せる
変革者を育てる海外異業種体験

CASE17日本航空

サントリーホールディングス

グローバルビジネス意識を向上させる
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CASE16サントリーホールディングス

アドヴィックス

組織の育成風土づくりの
きっかけは「新入社員OJT」

CASE15アドヴィックス

共立メンテナンス

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CASE14共立メンテナンス

サンゲツ

若手の声ではじまった
キャリア開発の取り組み

CASE13サンゲツ

東京急行電鉄株式会社

報告会に100名が集う
シリコンバレー派遣研修

CASE12東京急行電鉄

日清食品株式会社

フィードバック文化を育む
成長実感会議

CASE11日清食品

Dell EMC

子どもも大人も学ぶ
社員参加型の教育CSR

CASE10Dell EMC

豊田市役所

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CASE09豊田市役所

北上市 子ども創造塾事業

ナナメの関係で
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CASE08北上市 子ども創造塾事業

横河電機 情報システム本部

情報システム本部から広がる構想

CASE07横河電機 情報システム本部

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CSRの新しいカタチ

CASE06ジェイティ奨学財団

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カリキュラム作りへの挑戦

CASE05三重大学・鈴鹿医療科学大学

住友金属鉱山

ALP活動の狙いと効果

CASE04住友金属鉱山

東京海上日動火災保険

若手 × 階層別研修 × 海外体験

CASE03東京海上日動火災保険

パーソルキャリア

会社を飛び出して学び
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CASE02パーソルキャリア

サントリーホールディングス

海外トレーニー経験で
グローバル人材は育つ

CASE01サントリーホールディングス

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