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異業種でキャリア研修を。『SHIFT』体験者インタビュー

異業種でキャリア研修を行う『SHIFT』。異業種の同年代メンバーと一緒に、プロジェクト活動を通じてこれまでの経験と専門性の価値に気づくことで、自らのキャリアを「つくる」という感覚を磨けるプログラムです。参加者にはどのような変化があったのでしょうか?

「違和感を大切にしながら新たなキャリア観を形成したいと思うようになりましたし、自分のやりたいことを広げながら会社に貢献していきたいと考えるようになりました」

プログラムにご参加いただいた、カゴメ株式会社の夏木のぞみさまに『SHIFT』への参加理由や気づきを伺いました。

 


『SHIFT』でキャリアを見つめるきっかけに

ー普段の業務内容を教えてください。

東京本社のお客様相談センターに所属し、お客様からいただくお電話やメールなどのお問い合わせに対応しています。ほかにもカゴメのコーポレートサイト内にある、お客様からよくお寄せいただくご質問と回答をまとめたコンテンツの管理運営や、企画部門と連携しながらキャンペーン企画への提議などを行うこともあります。

 

ーご自身で手を挙げて『SHIFT』に参加されました。どのようなきっかけがあったのでしょうか。

入社以来、一貫して同じ部署で働いてきましたが、私は学生時代から企業のご相談窓口の仕事をしており、オペレーターのキャリアとしては、『SHIFT』参加時ですでに8年ほどになっていました。

一つの道を極めてスペシャリストになるキャリアもありますが、私としては、ほかにもさまざまな業務の経験を積みながら、最も自分の力を発揮できるキャリアを探してみたいと思っていました。一般職ということもあり、なかなか他部署に異動できる職種でもなかったので、どうすれば自分のキャリアを切り拓いていけるのか、社内のキャリアカウンセラーの方と定期的に面談し、相談をしていました。そのやりとりの中で『SHIFT』のことを知り、「参加してみると、視野が広がるのでは?」というアドバイスをいただきました。

多様な価値観を持つメンバーとのプロジェクト活動

ー『SHIFT』に参加して、印象に残っていることを教えてください。

やはり、一番は異業種メンバーとのプロジェクト活動です。自分たちで自由にテーマを決めてアウトプットを行うというもので、私たちのチームでは「ぼっち飯」を取り上げました。

所属部署によっては、日々の業務で他社と協働する機会があると思いますが、自分にはそうした経験がありませんでした。これを機に一歩を踏み出せたように感じましたし、他社の方と共に一つの目標に向かって何かを成し遂げる過程で多くの気づきや学びがありました。

 

ー具体的に、どのような気づきや学びがあったのでしょうか?

プロジェクトを進めているとき、カゴメでの常識が他社の人に全く通じないことがあって、自分はカゴメナイズされていたな、と。それが良い、悪いということではなく、アウェイに出なければ気づけなかったと思います。

自分はカゴメという会社で働いていて、社内の人も私と同じように会社の理念に共感して入社していて、同じ方向を見ながら日々の業務にあたっています。たとえ業種が同じでも会社が違えば企業理念も、目指している方向も異なり、ほかの業種であればなおさらです。会社も普段の業務内容も、バックボーンや価値観も、すべてが異なり、プロジェクトを進めているときにも、これほど多様な考え方があるのだなと思いました。当たり前ではあるのですが、今回、異業種メンバーとご一緒してあらためて感じたことでした。

 

ープロジェクト活動を進める過程で、異業種メンバーに対して感じたことはありますか?

どの方もほかのメンバーを思いやりながら、資料のたたきを作る、ミーティングで司会進行をする、要所要所で意見を言うなど、各々が自分の役割を素早くキャッチアップしていてアクションを起こしていました。

私自身は仕事柄、お客様とのメールのやりとりや自社のウェブサイトのコンテンツ管理など、普段から文章に触れる機会が多くあるので、資料の文章表現や言い回しを調整するといった役割を担いました。マスト事項でも優先順位が低くて後回しになりがちなことを、折りを見ながらメンバーにリマインドして進捗させるといった動きもしていました。私はリーダーシップを取ることは得意ではないけれど、フォロワーとして自分の意見を伝えながら、周りを見て動けていたのかなと思います。

アウェイから見る自社と自分のキャリア

ー異業種メンバーとの交流によって、外から自社を見つめる機会にもなったのでは?

それぞれのメンバーが所属する会社について考察する機会があったのですが、自分と同じ若手層のメンバーには、カゴメの名前は当然のように知っていても、商品のイメージが薄いことに気づきました。個人的には意外な結果だったのですが、会社として若年層へのアプローチを強化していかなければならないのではと思いました。

 

ーご自身のこれまでのキャリアについても、捉え直すことがあったのではないでしょうか。

『SHIFT』の事前課題として「My Career Honeycomb」で自分のキャリアを可視化し、それをプログラム内で共有し合ったのですが、そこから異業種の方から「周囲と折り合いをつけながら業務を進める力があるのでは?」「折衝力が高いし、実はすごいことをしているんだよ」と言っていただいたことが印象に残っています。

自分のことをそのように思ったことがなかったので、そうした見方があるのかと驚きました。私の中では当たり前のように配属に従って業務を全うしていて、なんなら社内のほかの人は、自分よりもっと大変な仕事をしている、と。「自分のことを評価してあげてもいいのかもしれない」と、自信が持てるようになりました。

半歩でも踏み出すことで、キャリアが広がっていく

ーキャリアを切り拓きたいという思いから『SHIFT』に参加されたとのことでしたが、変化したことはありますか?

キャリアについては、まだ模索している最中です。私の所属する部署は先にもお伝えしたように他部署や異業種とのやり取りが多くはないので、キャリア観を広げるためにも、今後も外の風に触れられる機会をつくっていきたいと思っています。

カゴメで小学校のアフタースクールでカゴメ社員が野菜について子どもたちに教えるという取り組みをしているのですが、今はこれにチャレンジしたいと考えているところです。普段の業務では上の年代の方からのお問い合わせに応じることがほとんどで、小学生と交流する機会はないので、また新たな気づきが得られるのかもしれない、と。資格取得やスキルアップのようなわかりやすくキャリアに直結するものでなくとも、視野は広げておきたいです。

 

ー『SHIFT』は、どのような方に勧めたいですか?

キャリアに悩んでいる若手に勧めたいです。自分の会社の常識が外に出たら非常識であるかもしれず、そこで初めて多様な価値観に触れられるはずです。逆に、当たり前だと思っていたことにも価値があると気づけて、自分にも成し遂げてきたものがあるのだと自己肯定感を高めることもできると思います。

キャリアに悩んでいなかったとしても、異業種の方々と繋がりたい人にも向いていると思います。今の会社でやりたいことがある人でも、いろいろな人のキャリア観を知ることで、自分が歩んでいる道がベストなのか、もっと理想の道があるのかを知る手掛かりになるかもしれません。道に正解や不正解があるわけではありませんが、視野を広げておくことで、得られるものはたくさんあるはずです。

 

ー夏木さんにとって『SHIFT』は、どのような経験となりましたか?

キャリア観に限らず、仕事や人生の価値観は、いったん出来上がってしまうと固定されてしまうものだと思います。それをリセットして、再び新たに構築できる貴重な機会でした。これまでの経験を大切にしながら当たり前を疑ったり、違和感を大切にしながら新たなキャリア観を形成したいと思うようになりましたし、自分のやりたいことを広げながら会社に貢献していきたいと考えるようになりました。先のキャリアを考えるとき、誰でも不安やネガティブな思いになってしまうことがあると思います。「人生は楽しんだ者勝ち」とまでは言いませんが、ポジティブに捉えたほうがいいし、そのほうが絶対に楽しいはずだと今では思っています。

 

ー貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

 

※ご所属は取材当時のものです

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