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- 2020.06.18
- レポート
コロナ禍で浮かびあがる「研修企画」のポイント(2)
対面型プログラムもオンライン型プログラムも、企業内の人材開発施策のやり方の話。 この機会に一度立ち止まり、知識よりも大事な「あり方」について考えてみませんか?
体感型プログラムとそこでの経験を大事にしてきた私たちだからこそ、5年前から我々らしいオンラインでのプログラム開発に取り組んできました。反転学習を取り入れたChiestaでは、単なる知識インプットではなく、学習した内容をもとに人にフィードバックしたり教えあったりするための集合研修の場を重視しています。
ワークショップ型オンライン研修の可能性
新型コロナウィルス禍で、取り組みが増えているワークショップ型の双方向オンライン研修では、参加者自身の体感や体験を大事にして、対話を通じて相互に学びあえるプログラムを開発・実施しています。人事の方や参加者からは、オンライン研修に対して持っていたイメージが変わり、「集中して学べている」「他者の考えに触れられて勉強になる」「むしろ学びやすい」というような声をもらいました。
もちろん、オンラインでは個人・チームで新たな疑似体験を行うことに限界があります。テクノロジーの問題と、そもそも仕事体験自体が従来のオフラインシーンをイメージされていたからです。
しかし世間を見渡すと、教育の世界ではフライトシミュレーターやVR接客など、仮想現実や拡張現実を活用したプログラムも増えてきており、今後もテクノロジーの進化によって体験できるものの範囲は広がっていくでしょう。
若年層のネット上でのコミュニケーションや「ポケモンGO」、「マインクラフト」、「あつまれどうぶつの森」などからも分かるように、リアルをオンラインに置き換えるだけではない、オンラインならではの体験も今後増えてくるでしょう。
オンライン研修の特徴
私たちのオンライン研修には、3つの特徴づけをしています。
1.日常の体験と紐づけて考える
オンライン研修では個人のスペースが確保されているため、個人考察を深めやすい特徴があり、対話型ワークとの相性が良いです。ウィル・シードのプログラムでも、職場経験や過去の体験と紐づけて考察し、言語化する時間を設けています。今後は経験をより学習に繋げるため、振り返りと対話のセッションを増やして、<実践→経験→省察→概念化>という経験学習のサイクルをより一層促進するプログラムデザインを行いたいと考えています。
2.構造的に捉える
新たな役割で求められることについて、様々なワークを通じて理解を促すことは変わりません。ただ、オフライン研修以上にケーススタディや映像などのわかりやすい手法を用いるとともに、投影スライドでは「何が変化するのか」をわかりやすく表現し、受け手の構造的な理解が促進される工夫を施しています。
3.新たなオンライン上の「体験」を生み出す
技術革新により、私たちのアイデア次第で、これまでにないオンラインならではの体験は増やすことができます。ウィル・シードでもオンライン・アクティビティを現在開発・実施しています。また、オンライン上で集まっている瞬間だけではなく、オンラインツールを使った継続的な学習プロセスも「体験」の一つです。私たちはよりよい学習体験を今後も追及し続けます。