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スタッフ日記|私にとっての“起業創業ラボ”とは?

都立高校生を対象とした起業家教育プログラム『起業・創業ラボ』が実施されました。
関わったウィル・シードスタッフが得た『学びや気づき』をスタッフ日記としてご紹介します。

『起業創業ラボ』とは、起業・創業学習を通して起業・創業への関心を高め、都立高校生等の起業家精神を醸成するとともに、新しい価値を創り出す力を育成するための取り組みです。
取り組みに共感し手を挙げたウィル・シードスタッフが、高校生のメンターとしてグループワークに参画し約半年間を共にしました。
活動の詳細は、【東京都の教育内容ページ】に随時掲載される予定です。

今回の日記執筆は、新卒入社の齋藤真智子。

 

私にとっての“起業創業ラボ”とは?

2019年6月から始まった起業創業ラボが2月に無事終了しました。参加した高校生の最後の振り返りに尋ねていた問い、「あなたにとっての“起業創業ラボ”とは」。高校生たちは、「くやしい半分、うれしい半分」「一番成長した夏だった」「自分と仲間の思考について追及できる場」などと思い思いにそこで生じた感情を言葉にしていました。ここでは、最後に高校生が振り返ったのと同じように、私にとって「起業創業ラボ」とはどのような場であったのかを振り返ってみたいと思います。

「これまで」と「これから」が交差する場

私は本プロジェクトにおいて、主に報告書の執筆と、プロジェクトの成果を定量的にみるための事前・事後アンケートの設計を担当しました。毎回の記録を残すために必要な写真や参加者インタビューを記録し、当日の実施内容と参加者の様子を合わせてまとめ上げていくという仕事です。

報告書の執筆担当に手を挙げたのは、これまでの学生生活で培ってきた経験を一番活かせると思ったからです。学生時代、私は自ら企画したワークショップの概要や実施の様子を報告書にまとめたり、参加者の反応を見るためにアンケートを作成する機会が多々ありました。

業務を進めていく中で気づいたことは、「学生」と「社会人」の立場で求められているものは違うということでした。今回報告書を初めてまとめた際、現場で起こっていたことをつぶさに記録するという学生時代のやり方で執筆しましたが、詳細を細かく記載するよりもポイントを絞って端的にまとめることがより重要であるということを学びました。また、アンケートの設計の際は「自分の興味・関心」を軸にして作成していた学生時代のやり方ではなく、「起業創業ラボの関係者が知りたい情報は何か」を軸にした設計が求められることが分かりました。

これらの経験を通じ、「自分の見たこと」や「自分の興味・関心」は一旦置いておき、「会社として何を発信すべきか」、「会社を取り巻く関係者に必要な情報は何か」といった「会社」を主語に物事を捉えていくことが求められることを肌で感じました。

運営メンバーとして携わっていた私は、新卒入社で通常業務も新しいことばかりの状況でした。その上で起業創業ラボの業務も回さなければならなかったため、大変な状況に直面することが多くありました。しかし、起業創業ラボの現場に行き、自分の担当業務をやる度に、ある種の充実感が増していることを感じていました。

その充実感はどこから来るのかと探ってみると、上述したような機会によって、自分のこれまでの経験を発揮できる場、そして発揮しながらもこれから必要な新しいことを学んでいける場があったことが大きかったのだと思います。

新しいことをインプットするだけではなく、これまで得てきたことを多少なりともアウトプットしながら業務を進めていく機会があることは、私にとってはとても心地が良いものでした。私にとっての起業創業ラボは、そういった意味で自分の「これまで」と「これから」が絶妙に交差する貴重な場でした。

これからの高校教育のあり方を考えさせられる場

毎回、私は実施終了後に参加者複数名にその回の感想を聞くためのインタビューをしていました。その中には「こんなに頭を使ったことはない」「久しぶりに何かアイデアを考えた」というコメントなど、もっとこういう場が学校に欲しいという声が多くありました。また、最後のアンケートの記述からは、起業家に会ったり、外国人に会ったり、ウィル・シードの社員という働く大人に会ったこと、そして他校の高校生に出会ったことが、彼らの刺激になっているということが見受けられました。

高校生は、もっと頭を使い、自分の発想を膨らませていく機会を求めている。また、普段の生活の中で出会わない人と対話する機会があることによって、興味・関心が広がり、働くことを考えるための材料ができ、目指したいビジョンを明確にしていくことができる。このようなことは参加者を見ていて特に感じたことであり、同時にこれからの教育に求められていることではないかと思いました。

高校の教員の方々のアンケートからも、今回のプログラム内容に効果を感じていただき、学校教育と外部機関の連携は重要だという声や、これからの学校における取り組みの参考にしたいという声がありました。起業創業ラボの場は、まさにこれからの高校教育のあり方を、参加者、教員の方々含め関係者それぞれが考える場になっていたと感じます。

教員の方のアンケートにもありましたが、私個人としても、学習機会は学校がすべて用意するものではなく、地域、社会がうまく連携をとっていくことで無数に生み出され広がっていくものだと考えています。今回は企業という立場で初めて教育事業に携わりましたが、学校―行政―企業が連携することで何ができるのか、それを具体的に体感できたことはとても良い経験でした。さらにこれからの教育のあり方を皆がつい考えてしまうような、面白いプログラムを提供できたことに誇りを持つ機会にもなりました。

今回の起業創業ラボのプロジェクトは社内でも新しい取り組みであり、戸惑うこともありましたが、自分ができそうなことには自らチャレンジし、それがカタチになっていくときの喜びは大きいものでした。今後の業務でもチャレンジ精神と新たなことを学ぶ姿勢を忘れずに邁進していきたいです。

また、今回の経験はウィル・シードが企業研修以外の場でも様々なことができるのだという可能性を感じた経験にもなりました。日々の業務において、対象者に必要な学びとは何かをとことん考え、いつか企業や学校も含めどのような場でも、目の前の「人」に最適なプログラムを生み出していけるような人に成長していきたいです。

【起業創業ラボ 通年型メニュー】

オリエンテーション
DAY1:未来に起こることを想像する
DAY2:現在のビジネス・業界情報を調べる
DAY3:インタビュー/リサーチをする
DAY4:ビジネスチャンスを発見する
DAY5:ビジネスチャンスを検証する
DAY6:プロトタイプ
DAY7:発表準備をする
最終発表会

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